まあそんなところだね …… なに大丈夫、そのくらいかじったって害はありません おい、独仙君、起きた起きた。 聞いたよ。 まだ売るどこじゃありません 水癲癇、人癲癇と癲癇にもいろいろ種類があるが君のはウェルテルだけあって、ヴァイオリン癲癇だと迷亭君が冷やかすと、 なぜって、まだ宵の口で人が大勢通るんですもの 　この鰹節の出処は寒月君の懐で、取り出した時は暖たかく、手のひらに感じたくらい、裸ながらぬくもっていた。 これは残念だが仕方がない。 東風君、新体詩でそんな事が云えるかいと向うの方から迷亭先生大きな声でこっちの談話にも関係をつける。 けいまさのせりふじゃないが秋の日は暮れやすいからね ええ、たいていな百姓家には一人や二人は必ずいます 大きな海の上を小舟で乗り廻わしてあるくのですからねと誰彼の容赦なく話しかける。