山の芋が一箱 まさかあんな高い処から落ちてくる事もなかろうからとこの方面だけは警戒を解く事にする。 爺さんはやがて左手に鍋の蓋をとって、右手に例の塊まった長い奴を無雑作につかまえて、いきなり鍋の中へ放り込んで、すぐ上から蓋をしたが、さすがの僕もその時ばかりははっと息の穴が塞ったかと思ったよもう御やめになさいよ。 千金の子は堂陲に坐せずとの諺もある事なれば、好んで超邁を宗として、徒らに吾身の危険を求むるのは単に自己の災なるのみならず、また大いに天意に背く訳である。 なかなか癒りません。 まさかあんな高い処から落ちてくる事もなかろうからとこの方面だけは警戒を解く事にする。 老人なんぞはいらぬ取越苦労をして何とかかとか云いますが、実際を云うとこれが文明の趨勢ですから、私などは大に喜ばしい現象だと、ひそかに慶賀の意を表しているのです。 いいえ、それじゃないの、もっと長い名があるでしょう 泥棒が這入って――そうして――泥棒が這入って――どんな顔をして這入ったの？と今度は妹が聞く。 惜し気もなく散る彼岸桜を誘うて、颯と吹き込む風に驚ろいて眼を覚ますと、朧月さえいつの間に差してか、竈の影は斜めに揚板の上にかかる。 やっとの思いでこのいびつを取るとまた直径に狂いが出来ます。 ここから出るわいと穴の横へすくんで待っている。 着付けは陸軍の御用達見たようだけれども俳人だからなるべく悠々として腹の中では句案に余念のない体であるかなくっちゃいけない。 届ではない告訴です。